コラム

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1月17日のお話

コラムの更新がすっかり滞ってしまいました。ごめんなさい。すでに4ヶ月くらい経ってしまいましたね。気がつけば年も越してしまいました。本当にごめんなさい。

前回から、若年期のお話になっています。若年期は性的に成熟するまでの時期を指します。前回のコラムでもこの時期は「自分でどういう行動をとっていくかを決めていく時期」ということをお話しました。

そこで、この時期にどういう叱り方がいいのかということをお話しようと思います。社会化期はしからなくてよい状況を作りながらいろいろなことを学習させていくことが中心でした。でも、若年期になってからは「やってはいけないこと」に対しての「罰」の与え方が重要になってきます。

一口に罰といっても、様々ですが、以前の社会化期のコラムでなるべく「負の罰」を使ってみてください、とお話ししました。ここでも、同様のことが言えますが、それでもうまくいかないときには、「正の罰」を使ってみましょう。

これはタイミングが重要です。ですから、やってはいけないことを「わざとさせる状況」を作ることが大切です。テーブルに上ってしまう、台所に入ってしまう、状況は様々だと思います。この状況をわざと作って、「天罰」をくだします。これは何か怖い音や、何かを使って「その行動をとると、嫌なことがおこる」と学習させる方法です。この時に、飼い主さんとその怖いことが結びつかないように、ワンちゃんには見えないようなところで、音を出すようにしてみてください。タイミングよく音がでて、その行動をやめたら、側にいって褒めてください。でも、この「怖いこと」がそれぞれのワンちゃんによって違うので、自分のワンちゃんがどういうことを嫌がるのかを判断して、嫌悪条件をきめてください。そして、確実に行うことが重要です。中途半端だったり、うまく逃げることができたりすると、嫌悪刺激に慣れてしまったり、逃げることを学習してしまうことにつながります。

天罰方式がうまくいかなかったら、飼い主さんが罰を使う方法になります。このとき、体罰は行わないでください。まず、何か悪いことをしていたら、大きな声で「アっ!」と声を出してみてください。これは「ダメ!」や「いけない」でも良いのですが、短い言葉でだれでも同じに言える言葉の方がいいでしょう。
そして、悪いことをやめたら、「オスワリ」をさせて褒めてください。これもわざと悪いことを行うようにして教えていくと効果的です。叩く、ショックを与えるなどの体罰は飼い主さんに、恐怖の感情をいだかせてしまうことにつながりますので、なるべく使用しないほうがいいと思います。もし、天罰や声などの罰でうまくいかないのであれば、専門家に相談するほうがいいでしょう。

こうして、生活の中でしていいことと、悪いことをうまく教えてあげてください。

次回は、第2恐怖期のお話です。